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アメリカ

エンパイアステートビルとグランドゼロ

エンパイアステートビル

この写真のゴリラは「どこかで見覚えあるぞ?」と、洋画好きの方なら思うのではないでしょうか?そう、これはNYを舞台にした映画の内の1つ、キングコングの主役の「奴」です。美しい女性片手にエンパイア・ステート・ビルディングに上るという驚異的すぎる技を見せつけた「あれ」です。

私達が出会ったのは、エンパイア・ステート・ビルディングの展望台へ行く道筋での事でした。まるで迷宮の様にうねる道を通り抜け、1つ目のエレベーターの乗り込み80階に到達し、このビルの歴史に関する展示を見ながら歩いていると、そこに奴はいたのです。そして人間が奴の手下のごとくカメラを片手に美女や可愛い子供達、ダンディなお父様と写真を撮っているのです。…そう「笑顔」で。

あんな恐ろしい形相をしながらビルを上っていた巨大な怪物は、今ではこのビルの観光をお手伝いする、とても良いゴリラになっていたのです。ただ、近づくとやっぱり怖いと思う人間達は沢山いて、彼もそれを分かっているのか……特に美女にはわざと近寄って彼女たちが笑いながらも「こわいよー」というのを楽しんでいるのでした。

グラウンドゼロ

グランドゼロは、日本語訳だと「何もない土地」で、高層ビルが立ち並ぶこの一角で唯一緑と水に囲まれたこの土地。しかしそれに対し違和感も異議も唱える人は決していないのです。何故ならこの場所はニューヨーカーは勿論、世界中に人にとっても衝撃と悲しみを与えた場所の一つだから。

そう、ここは1999年9月11日に起きた同時多発テロにより、大多数の犠牲者と悲しみが作られてしまったワールドトレードセンターの跡地なのです。ノースプール、サウスプールと呼ばれる池の周りには、亡くなられた犠牲者の名前が彫られていました。私がこの写真を撮った後に「Excuse me?」と声をかけられ振り返ると1人の優しそうなおばあさんが立っていて「I wanna talk with my son.」と言って私にその場を譲ってくれと尋ねてきました。その後おばあさんは写真を1枚収めた後に何かを心の中で話しているのか、そこに暫く立っていました。

まだ世界中には数えきれない悲劇が眠っています。しかしこういう場所を訪ねる事で、少しでも世界中に平和が訪れるようにとまた1つ強く願うようになりました。

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